Case Study 事例

2023.03.14事例

【販路拡大支援】知的財産を活用した、新たな成長分野への事業構造転換

【左より 中谷 充孝常務、中谷 孝芳代表取締役、中谷 優太部長】
当社は、昭和42年6月(業歴55年)に設立した神奈川県横浜市に所在する、金属加工製造事業者である。創業よりプレス・金型の金属加工技術を強みとして、下請事業者として発展してきたが、国内製造業の海外移転、国際競争の激化により事業構造の転換が求められていた。様々な取り組みにより次第に成果が見えてきた。

相談のきっかけ

当社は、金型事業・プレス加工事業・産機事業の3事業を行っている。過去の主力事業であった、プレス・金型加工は国内製造業の海外移転等により、縮小傾向が著しいため、これまでの製造技術を応用し、知的財産の獲得や、独自技術を強みとする自社製品(産機事業)製造販売に比重を移すことを目指している。そのような背景のもと、神奈川県の補助金活用がきっかけで、神奈川県よろず支援拠点に来訪された。

事業構造の再構築を目指すための成長戦略とは?

従来の主力事業であった、金型事業・プレス加工事業が環境変化により低迷する一方で、産機事業(自社製品)の売上が伸びてきており、現在では主力事業に育ってきたが、持続的な成長を行うためには、当社の技術力を活かして、

①産機事業(自社製品)のさらなる売上拡大

②総合的な中期経営計画の策定とその実行

③新たな自社製品の量産化対応と販路開発

といった多岐にわたる成長プランの策定と実行が必要である。 従来事業の強みを活かして成長分野で飛躍を

提案として、よろず支援拠点における「成長伴走支援」制度の活用を提案し、現在「成長伴走支援」の実施中である。 その具体的な取組では、

①財務状況、取引状況、顧客別売上状況、事業部別損益状況などから経営分析を行い、現状把握を行った

②現状把握を踏まえ、中期成長方針と経営目標を設定した

③方針と目標を達成するためのアクションプランを策定し実行中

知財展開・知財活用ではINPIT(知財総合窓口)と連携支援中。また、販路開拓では中小機構販路開拓コーディネーター事業を活用するなど、各支援機関と連携しながら成長支援を行っている。

支援のポイントと気を付けたこと

当社の強みの源は金型・プレス加工技術である。強みの喪失にならないように、この事業を継続しつつ新たな成長分野で収益拡大を図ることが、当社の継続的発展につながると考えている。 少しずつ見えてきた成長分野での成功

●当社の成長分野である、産機事業(タッピングユニット)において、韓国商社と連携し、韓国の大手企業(電機・半導体・自動車)との取引が実現 ●産機事業における、新商品(特殊ゆるみ止めナット)の量産化対応が実現した。策定した中期経営計画(成長計画)に基き、国内・海外販路開拓、知的財産の活用の取組を行っていくことで、収益拡大を図る。 相談者様の声

地球規模で、生産地が成長地域へシフトしている現在では、過去の業態では生き残れないと思っています。神奈川よろず支援拠点と策定した、成長計画と目標を達成することで、「100年企業」を目指していきます。