Case Study 事例

2023.04.11事例

【経営改善支援】業歴4年のプラスチック製造業、補助金を活用して生産性を20%アップ

プラスチックメッキ関連会社に35年勤務した後、2018年にプラスチック射出成形部品製造業として創業した。
寸法精度と外観の品質を同時に向上させるガスアシスト成形を得意し、自動車関係、アミユーズ関係を中心に事業を展開している。
また、塗装・印刷・メッキ・蒸着など2次加工に関する蓄積されたノウハウを駆使し、2次加工メーカーの高品質・歩留まり向上の支援による短納期・低コストの実現に寄与している。

新規部品開発と新規受注部品生産の両方を行ないたい
受注件数が増加する中、自動車関連部品の得意先からカーボンニュートラルの実現に向けた自動車用金属部品の樹脂化開発への協力を要請されているが、工場スペースの制約上、1台の成形機で上記部品開発と新規部品生産を行なう必要があるため、成形機性能向上と生産性向上の必要性を感じていた。
相談者はものづくり補助金を活用して実現したいと考え、取引行および加入商工会議所から当拠点を紹介され、相談に至った。

2つの課題を明確に。成形システムの仕様検討と生産プロセスの見直しを提案
COは相談者とのヒアリングにより、ガスアシスト成形や2次加工のノウハウの活用により、自動車関連やアミューズメント関連の受注を安定して獲得し、黒字経営を継続できている点が強みであることを確認した。
一方、相談者立ち会いの下、成形工場で生産状況を確認したところ、設備性能の低い中古成形機を使用しているため当社技術が生かされていないほか、必要以上に作業工数がかかり従業員の作業時間の創出ができないため、増加する受注への対応や金属部品の樹脂化開発についても実現が困難と判断した。
そこで、課題を「生産性向上のための成形プロセスの改善」と「金属部品の樹脂化に必要な成形システム仕様の設定」とし、具体化に取り組んだ。

増加受注や新規部品開発向け新規成形システム導入支援
成形部品変更時の段取り時間と作業工数、成形部品毎の成形サイクルや不良率など現状の成形プロセスの実態を測定し定量化すること、またそれらのデータを基に生産性向上の目標値を設定することを相談者に提案した。
相談者は作業観察や測定によりデータおよび生産性向上の目標設定を行うとともに、成形機に必要な性能をまとめ上げ、最終的に樹脂化部品開発に必要な従業員と成形設備の稼働時間を確保できる見通しを得た。
また、上記内容に基づき、相談者はものづくり補助金申請用事業計画書を作成し、COは事業計画が簡潔かつ論理的で実現可能となるよう、公募要領に沿って助言した。
この支援において、地元商工会議所と取引金融機関の支援機関と連携し、一層の販路拡大方法や設備購入時の資金調達支援について確認した。

支援のポイント
相談者は増加する受注案件を確実に取込み、生産性向上により高品質を維持しつつ、納期短縮とコスト削減の実現により、さらなる競争優位性の確立を目指していることが伝わってきたため、相談者の熱い思いに応えるべく、真摯に取り組むことに注力した。
時には難しいと思われる要望を相談者に伝えたが、短時間に対応・回答が届き、必死さを感じた。
また、助言内容を具体的に示すことにより、相談者が対応しやすくなったと思う。

補助金採択!新設備導入で成形生産性が20%向上、見積引き合いがさらに増加
ものづくり補助金に見事採択され、高性能の成形システム導入と成形プロセスの改善により、生産性は目標の11%を大きく上回る20%向上を達成することができた。
最近は、自動車関連を中心に既存得意先のみならず、新規企業からの見積引き合いが増加しており、成形試作や成形プロセスの改善を検討しながら、案件獲得に繋げていきたいという意向を見せていた。

相談者の声
COや支援機関の方に親身になって対応していただいた結果、ものづくり補助金が採択され、生産性向上と新製品開発の実現に向けて一歩踏み出すことができました。
期間が短く、採択は厳しいのではないかと不安だったので、とても嬉しく思っております。
この機会を活用して、さらなる売上拡大に繋げていきたいと思います。

支援先企業名 株式会社WEI ENG
支援先企業URL http://www.wei-eng.tech/