Case Study 事例
【売上拡大支援】店舗コンセプトの見直しにより新規顧客の獲得と客単価30%向上
横浜市南区六ツ川の主要幹線道路「平戸桜木道路」沿いにある居酒屋。毎日、市場で旬な魚を仕入れ、お酒にあった魚料理や寿司を提供している。以前は寿司屋を経営していた代表。40年以上魚と向き合い、魚のうまみを最大限に活かす料理の腕には定評を得ており、顧客の9割以上が寿司や時代からのリピーターである。妻と代表の2人で、厨房、接客を行っており、夫婦の穏やかな接客も、顧客を安心させると喜ばれている。
相談のきっかけ
感染リスク低減のため座席数を16席から10席に減らしたものの、同時間帯に顧客の来店が重なると密を気にして帰られる方もいた。座席数の削減と営業時間の短縮により売上はコロナ前と比べて10分の1以下と大幅に減少。相談者は、安全に食を楽しめる場の提供と売上回復のため、使用していない2階の改装を思いつくが売上が低減しているなかで改装費の捻出はリスクが高い。市の広報誌からよろず支援拠点を知り相談に至った。
店舗コンセプトの変更による売上回復が課題
まず現在の顧客ニーズについての分析を開始。顧客は、50代以上の寿司屋時代からのリピーターが多く、アルコールと旬の魚料理を注文するとのこと、競合店調査からも、魚料理を売りとしている店舗は近隣にはないことから、美味しい魚料理を提供できることが強みと判断した。一方で、顧客の高齢化や健康志向の高まりにより食事量やアルコール摂取量が減っており客単価は減少傾向にある。また、コロナ禍で、蜜を避けたいといった意向や、20時以降の来店が控えられていることを確認した。コロナの今後の蔓延状況も読めないため、夜間営業が中心の居酒屋からの脱却が必要と判断。「美味しい魚料理を安心して楽しめる食事処へと店舗コンセプトを変更させ売上を回復させること」を課題として設定した。 食事処へとコンセプトを変更、補助金を活用し店舗改装
まずは、強みである「どんな魚でもどの部位でも美味しい料理に変えられる技術力」を活かし、アルコールのあてとしての魚料理ではなく、食事として魚料理を楽しめるメニューの開発を提案した。相談者は、たくさん食べられなくなっている顧客に合わせ小量でも満足できるメニューなど複数のメニューを開発した。さらに、地域住民への周知を図るため、店舗前の壁を利用し、自慢の魚料理についてPRするよう助言した。また、安全に食を楽しめる場づくりと座席数増加による売上アップを図るため、未活用の2階スペースを貸し切りスペースとして改装を検討。改装資金の捻出のため、小規模持続化補助金を活用し申請から入金まで支援するとともに、作業の効率化についてアドバイスした。
支援のポイントと気づいたこと
「店の顧客の年齢は高めであるが、顧客にはいつまでも健康で美味しい魚料理を楽しんでもらいたい」との相談者の思いに寄り添うとともに、相談者自身も無理はできない年齢のため、サービス提供方法や動線など体力的な負担を減らせるよう検討を重ねた。また、補助金に関しては、申請方法や注意点を詳しく説明し、変更や困ったことがあったらすぐに連絡をいれていただけるよう良好な関係を築いた。
女性客という新たな顧客層の獲得と客単価30%向上
店頭PR と2階スペースを貸し切りとすることで、女性グループ客からの問い合わせが来るようになり新規顧客の獲得に繋がった。2階スペースでの会食のみならず、通常の夕食としても利用していただけるようになった。お酒のあてとしての魚料理から食事を楽しむための魚料理へとメニュー変更したことで客単価も30%以上向上した。今後は、コロナの動向に合わせテイクアウトに力を入れるなど、臨機応変に対応したい。 相談者様の声
始めての利用だったが親身に相談にのってくれて安心した。何の魚でもどのようにでも調理できることが強みということに気づいた。商品展開を変えることで食事を楽しむ顧客が増えたことが嬉しい。既存客も、最初は戸惑ったようだがメニューが増えたことに喜んでくれ、いろいろやりたいことが増えた。今後ともよろしくお願いいたします。